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スタンフォード大学から、マネージメント三つの神話

スタンフォード大学教授のフェファー、サットンの新しい本を元にしたペーパーThree Myths of Managementがハーバードビジネススクールのサイトに掲載されています。

その中でマネージメントに関する三つの神話について書かれていますが、それは以下の通り、
1.Casual benchmarking.
2.Doing what (seems to have) worked in the past.
3.Following deeply held yet unexamined ideologies.
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簡単にまとめると、
1.安易なベンチマーキング、
もちろんベンチマーキング自体が悪いわけではないが、目に見える部分だけを真似してしまうことに問題がある。

例えばUAがサウスウエスト航空に対応したサービスをつくり、制服をカジュアルにしたそうです。人間は同じですが・・・・・

あとアメリカの自動車会社はトヨタの工場のフロアパターンを真似しましたが、いまだに生産性は追いつけません。

2.過去にうまく行った(と思われる)ことをする、

単なる過去の踏襲を避けるために、自問自答すべき三つの質問。
・過去にやったこととその後でてきた物に本当に因果関係はありましたか?
・過去の方法がもう一度うまく行くほど環境要因は似ていますか?
・過去の成功がなぜ今回もうまく行くと思いますか?

成功の復讐という言葉と通じるものがありますが、失敗も成功も未来においては同じぐらい先入観を与えて同じぐらい怖いものですね。

3.十分に検証されていないイデオロギーを盲目的に信じてしまうこと。
一言で言えばはやりにおどらされないということでしょうか。本文の中ではストックオプションについて手厳しく書いています。
これまでの研究ではストックオプションを含めたインセンティブが組織の能力を高めた例はほとんどない。それどころかストックオプションは短期的な利益追従する考え方が生まれ、悪くすれば不正にすらつながる。

キャッシュフロー経営、時価総額経営、サステイナブル経営、TQM,CRM,SCR等々。どれも重要だけど、流行っているからってやるものではないですね。

最後に本文のことばから

「真似すべきことは行動ではなく考え方だ」

なかなか耳の痛いことばです。

 

投稿者: 三ツ松新 | 日時: 2006年04月18日 11:52

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コメント

いやー、ストックオプションでさえ短期的な考えになるかぁ。確かにそうかもなぁ。ホント、いわゆる財布の部分って難しいですよね。

投稿者: こばP | 2006年04月21日 15:51

必ずしもそうと言うわけではないと思うけどね。
事業の中で比較的短期的に結果を出したい場合はもちろん問題ない。ストックオプション(に限らずやけど)も間違った使われ方をすればかえってデメリットが多いということやね。

投稿者: 三ツ松新 | 2006年04月22日 10:13

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