三ツ松新'sブログ

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日本のエコ万歳

新日本石油やトヨタ自動車、三菱重工業など国内大手16社は大学や政府機関と共同でバイオエタノールの低コスト量産技術を開発する。植物廃材を原料に、2015年に1リットル当たりの生産コストを40円と、国際競争力のある水準まで下げることを目指す。

以上は日経ネットからの抜粋。批評家の間でネガティブなコメントが多いのはわかってるけど基本的に日本のエコへの取り組みは関心することが多い。問題に対して真摯に取り組む姿勢はいいと思う。

もうだいぶ前のことになるけどオイルショックを受けて1970年にアメリカではマスキー法が施工された。基準をクリアするのが不可能と言われたほど厳しい自動車の排ガスに関する規制も盛り込まれていた。当時のアメリカの自動車業界はロビー活動ばかりに走っていたそうだ。だけどホンダがCVCCエンジンで初めてクリアしてしまった。小学生の時、うちの車にCVCCと誇らしげなロゴがあったのは今でもよく覚えている。

最近はバイオエタノールでトウモロコシ高騰が問題になっているが、トウモロコシは効率のいいエネルギー源とは言い難い。トウモロコシは実の部分以外にも大量のエネルギー(糖質)が含まれる。実のデンプンが使いやすい形態なのは間違いない。でもそれを使うのは極論を言えば、札束燃やして暖をとるようなもの。

バイオエタノール先進国のブラジルではサトウキビやイモを使う。特にサトウキビの使用に関しては見事だ。糖蜜をとった後の搾りかすは燃やしてエタノール生産工場で必要なエネルギーにあてる。またエタノール蒸留後のカスもうすめて畑に戻すなどゼロエミッションに向けて確実に進んでいる。

大学と大学院ではバイオテクノロジーを専攻していたが、微生物発酵で廃材を使うことはめずらしくない。もっと言えば光合成能力は植物より微生物のほうがはるかに高い。昔から光合成細菌から直接電気を取り出すような研究はあった。そうなると廃材すらいらないエネルギーがでてくる。

最もそのような研究はかつては安い原油にはまったく太刀打ちできず、研究予算も少なく実用化には程遠かった。応用科学である微生物発酵の研究は採算ベースに乗りやすい、酵素、ビタミンやアミノ酸の生産のほうに行くのは当然と言えば当然。

だけどここに来て随分状況は変わってきたようだ。原油高騰は悪いことばかりじゃないように思うのは私だけだろうか?

投稿者: 三ツ松新 | 日時: 2007年11月24日 13:33

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