三ツ松新'sブログ

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2011年08月31日

春巻きの皮とイノベーション

twitterやfacebookなどソーシャルネットワーク系のサービスがでてきてからブログをあまり書かなくなったという意見をちらほら聞くが、気付けば2ヶ月半も放置。しかしそうは言えどブログにもブログの住処は確実にあろう。

先日フォーブスにシンガポールの新顔億万長者に関する記事があった。62歳のSam Goi氏で冷凍食品の会社を経営していて、主力製品は春巻きの皮で世界一の生産量を誇る。

Goi氏は21歳で父親からお金を借りて修理工場を起業したがうまくいかずあえなく倒産。その後中国人ネットワークからさらにお金を借りて同じビジネスを再度挑戦して今度はうまくいった。

そしてそのころものすごい非効率的な春巻きの皮の生産を見て、機械化を試みた。その結果同じかそれ以上の品質の物を七分の一の値段で売ることが可能になりその後順調にシンガポーリアンドリームを実現・・・・・
とは残念ながらならなかった。

ここからがおもしろいのだが、実は売るのにすごく苦労した。味は負けていない、値段も1割ちょっと程度。何がだめだったのか?

なんと形。それまでの丸ではなく機会で作りやすい四角だったため、最初はかなり敬遠され売れなかった。そう、たったそれだけだ。人々はなんとなく四角いのがイヤなのだ。

しかし世の中の慣性というのはそれだけ強い。新しいことをやろうとすると必ず抵抗力はあり時としてはそれはそれは小さいものが極めて大きな抵抗力を示すことがある。

シュンペーターがかつてイノベーションを起こす人材の能力として
「洞察力、精神的な自由、抵抗に打ち勝つ強い意志」
の三つをあげた。三つ目をあげたのはさすがに栄光無き天才シュンペーター。

丸い抵抗に四角で打ち勝つ強い意志。一見馬鹿げているかもしれないが意外にも近い現実だろう。

参考URL:
http://www.forbes.com/global/2011/0808/singapore-billionaires-11-sami-goi-tee-yih-jia-food-ready-to-roll.html?partner=asia_newsletter

投稿者: 三ツ松新 日時: 17:43 | | コメント (0) | トラックバック (0)