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そして日はまた昇る(ものづくり大国日本)

大前研一さんが「未体験の経済に向かう中国」というコラムを書いてるが相変わらずおもろい。
詳細に関しては読んでもらうのが一番いいだろうが、締めくくりのあたりの文章で非常に印象に残った所があった。

外資系企業にとって、世界の生産基地としてのパラダイスでなくなることだけは確実であろう。
 しかし、ベトナムやトルコなどは広東省と同じくらいの人口しかないので、中国に取って代わる経済規模はない。結局、中国に代わるものは中国しかないということで、世界はそれ程廉価ではない中国製の商品を買うことになる。デフレ要因としての「特売」中国が終わりを告げ、これからは普通の中国とつきあっていかなくてはならない。

理由としては中国の人件費があがり、元が1ドルあたり今の2,3倍ぐらいまで高くなった時にあっさりものづくりをやめるだろうとのこと。これはまったく同感。

知ってる人も多いと思うけど、中国人は合理的な考え方の人が多く、ものづくりが儲からんかったら商売鞍替えする人が大量にでてきても全然不思議じゃない。根っからものづくりが好きな日本の製造業の人とは根本的に考え方がちゃう。

もともと価格を理由に海外生産にシフトしても、時間の問題で人件費はあがってしまい、コストメリットがどんどんなくなる。それまでに現地での需要が産み出せなければ、また安い人件費のとこに工場を移したりして、あまり意味のないことになることも多い。

しかし中国の場合は地方からどんどん人が流れ込んできたため他の国と比較してこの上昇の進行が遅かった。そこで「生産基地パラダイス」としての地位を長い間保っているが、これも永久に続くわけではない。

長期的に見た場合日本のものづくりがまた元気になる日が来る。ただ今度は生産拠点が日本になるというわけではなくもっとグローバルに地産地消に近いような形が有利になるやろうな。誤解のないようにいうとこの「地」というのはかなり広範囲をさすけど。その時のためにこれからグローバルで戦える人材の育成が今まで以上に大事になってくる。

投稿者: 三ツ松新 | 日時: 2008年04月21日 11:46

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