三ツ松新'sブログ

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在宅勤務とクラウドソーシング

パナソニックの在宅勤務者が5000人になったという記事があった。日本でも在宅勤務が進みつつあるのはすごくいいことだと思う。それも大企業で実施できて、経済効果もエコ効果もあるんだから言うことはない。ある意味これも組織論から見ればすごいイノベーションだ。

在宅勤務を増やせば、
・通勤時間とそれに付随するエネルギーが削減される。
・作業効率があがる。
・無駄な会議が減る。
・オフィススペースの軽減
などあらゆるメリットがある。それと個人的な意見だが、自己管理も進むんちゃうかな。

僕も独立して9年目になるが基本的に在宅勤務だ。独立して一段落したら、どこかで如何にもコンサルらしいバブルっぽい、事務所を構えようと思っていたのだが(笑)。

だが9年たった今でも、在宅勤務があまりにも効率がいいため未だにそのままだ。スケールが効きにくい特殊な職業ということもあるが、ある業務を遂行するために社員を雇うと思ったことは何度もある。ただその都度助けてくれる人が見つかる。

一人でこなせないプロジェクトがでてきた時はいっしょにやってくれる独立した人がたくさんいる。また営業や企画をする専門企業も少なからずも存在する。その他に事務作業に関連したありとあらゆるサービスが外部にあって、結局そこを利用することになる。長期に見れば間違いなくコスト効率もそちらのほうがいい。

すべて内省化していれば、売上はいまの何倍もあっただろう。しかしマクロ経済の観点からすればパートナーとやれば投下した労働力と得られた生産量は同じであり、ミクロに個人レベルで見ても残るお金は変わらない。いやむしろ効率がいい分多いだろう。

以前から同じことが多くの大企業でもできるはずだと思っていた。物理的に在宅勤務が不可能なものもたくさんあるが、多くのホワイトカラーは逆に解決ができない理由が思いつかないぐらいだ。通信コストもネットの出現で恐ろしく低コストになってきているのでなおさらだ。デメリットはゼロではないがメリットが大きく凌駕するでしょう。

大企業でできると半ば確信していたのは、ぼく自身今の仕事のやり方は独立後ではなく会社員の時に身に付いたからだ。もうかれこれ20年近く前になるがぼくがP&Gに入社したときおそらく社内初だったろうと思われるグローバルプロジェクトを担当することになった。

はじめての日本リードの開発プロジェクトであったが、今のような立派なオフィスではなく、大阪の雑居ビルで担当はぼくと5年目の上司の二人だけだった。ぼくはまだ新入社員だったので気分はほとんどモルモット状態、なんちゅう非常識な会社じゃと思った記憶がある(笑)。

だけどこうなると当然かなり外部に頼ることになった、というかそうしないと回らない。最初は社内の海外部隊と連携だったが、これがどんどん大学や他の企業との連携に広がっていった。当然コミュニケーションは最初はファックスと電話。それから少しずつ、電子メール、テレビ会議と進化していったが。

入社8年目ごろだった思うが、世界5カ国の7か所に面子が分散して国籍も二桁にわたる開発プロジェクトのマネージャをやることになった。アウトソーシングもあったので社外の人もたくさん関わる。
これも思わず気分はモルモットだったが、意外に案ずるより産むがやすし。いまでもかなりいい思い出になっている。

ぼくが関わったプロジェクトはほとんどそんなんだったが、これらのプロジェクトに共通していえるのはメンバーのほとんどがまわりにいない。いないどころか、さまざまな時間帯に住んでいる。電話をしたくても向こうはベッドの中ということもめずらしくない。オフィスにいても自宅にいてもあまり変わらない仕事が多かった。

当時は正式な制度がなかったので、実際はオフィスにいることが多かったが、一度1か月ほどロスアンゼルスに半ば在宅勤務をしたことがある。ちょうどプロジェクトの重要な拠点がロスにあり、うちの嫁はんの実家がロスにあり、二人目の子供がうまれたところだった。そこでホテル代も飛行機代もセービングできて労働時間も増えるので会社もお得でしょという強引な理由でそこで1か月ほど家族ごと住むことにした。仕事に支障はなく、かなり快適だった。

ここ数年C&D(connect & develop)戦略というんがP&G全社で行われているが、原型はこういうところから始まった。そういう場にいれば、これを個人レベルに広げる発想はそんなに難しくない。開発の問題を内部だけではなく外部の個人に頼ろうと。当時は実質的に難しかったがネットの出現でそれが可能になった。今ではそういう活動を総称してクラウドソーシングと呼ぶ。

以前からブルーカラーの生産効率に対してホワイトカラーの生産効率があがっていないという報告は多い。また不況のせいもあるが、副業を許可する会社が最近目立ってきた。在宅勤務をしながら他の仕事もこなすようなことになれば、実質的にはクラウドソーシング型の組織ができあがることになる。

投稿者: 三ツ松新 | 日時: 2009年04月22日 08:51

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