三ツ松新'sブログ
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グーグルフォンってうわさ?
グーグルが携帯電話事業に進出するらしい。グーグルが携帯電話のデザインをアジアのどこかのメーカーに送っているという情報がロイターズから発表されている。グーグルのスポークスマンはこれに対してやるともやらないとも言っていない。
因みにロンドンにいる野村のアナリストはグーグル電話は失敗に終わると予測している。競合するために十分なスケールに到達するだけの電話業界との関係性がないからだそうだ。
まあ確かにもっともらしいコメントでグーグルがそのまま普通に携帯電話事業に手を出せばそうでしょう。でもグーグルがそんなバカのことをするとは思えない。
グーグルは秀逸な検索エンジンなのはみんな知ってるけど、必要な情報を必要な時にアクセスできるようにしている。またスタンフォードの図書館をネットで検索できるようにするような壮大なプロジェクトを手がけた。すでにハーバードやニューヨーク市立図書館も同様のプロジェクトを始めている。グーグルは言い換えれば情報インフラの整備はもちろんながら、情報の民主化を進めそこから利益を得ている。
ただ現状ではPCの前にいなければいけない制約がある。モバイルでグーグル検索もできるけど使いづらい部分が多い。携帯に特化した別の検索エンジンを開発する方法もあるだろうけど、グローバル展開が最初から視野にあるグーグルからすればローカルの機種変更や各国の携帯のインフラに対応し始めたら悪夢を見ることになろう。
自社で機種をつくれば少なくとも各社各様の対策には悩まずに済む。またネットへのアクセスを機能につけておけばネット電話にもなり既存の多くのインフラの制約からも開放される。そして一番でかいのは携帯電話のプラットフォームが提供できることだ。ようは携帯版ウィンドーズが作れてしまうかも知れない。そのためにはハードに手を出す大きな賭けにでたのでしょう。リスクも大きいけどリターンもでかい。
すでにPCの世界では表計算もできるグーグル。PCでは下手するとウィンドーズがいらなくなる世界がくるかもという話がでてくるほど。ましてやまだ覇者が見えてない携帯の市場ならなおさら・・・・・
時代は違うがアップルはかつて世界最高のOSを自身の機種だけのために提供した。1990年代の名論文「コンピューターを作らないコンピューター企業」でアップルはOSをオープン化すべきだったと批評されている。確かに80年代後半にOSをオープンしていたら勢力図は変わっていたでしょう。
さてこのパターンなんだかにおいませんか?グーグルが携帯のハードを作り自社のプラットフォームを構築する。その後プラットフォーム部分はオープンにする。それも下手すれば無料にして広告収入で利益をあげてもいい。ハード部分はIBMのようにその段階で売却してもかまわない。
アップル創業者のジョブズは職人気質なのでこうはでんと思うけど、グーグルのブリン&ペイジなら十分ありえる。
でもこのあたりを半ば否定するグーグルの腹黒さは大好き(笑)。
投稿者: 三ツ松新 | 日時: 2007年03月19日 15:44
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コメント
さすが面白い考察ですねー。確かにグーグルならやりそう。
投稿者: こばP | 2007年03月19日 18:57
>こばPさん、
これも記事読んだ印象やけど実際もっと激しいこと考えてる可能性も十分あるよね。
投稿者: 三ツ松新 | 2007年03月20日 09:18
読み進むうちに血が体を巡ってきました!
go-go-!って気分になる内容ですね。
実際、携帯が発売されたら間違いなく購入します。わたし!
投稿者: ねぇ。 | 2007年03月20日 16:19
>ねぇ。さん
ぼくも多分買います。でもただの携帯電話だったりしてw
投稿者: 三ツ松新 | 2007年03月22日 09:33