三ツ松新'sブログ
イノベーションコンサルタントのデジタルクリップ
トウガラシと虫とカビと鳥のパートナリング
最近多様化が進む事業環境ではなかなか一社だけで勝つのは難しく、他社とのコラボやパートナリングの重要性が言われている。マッキンゼーのマーケティング分野のディレクターはパートナリングはマーケティングの4Pに続く5つ目のPだという人がいるほど。古巣のP&GもR&DではなくC&Dと呼ぶ戦略を取り始め外部連携をかなり強めいている。
僕自身が元々学生時代は遺伝子や進化論を勉強していたのでこのブログでは生き物に関連した成長戦略やマーケティングをテーマにすることがあるが、今度はパートナリング。
みなさんしし唐を食べていていきなり辛いものにあたった経験ってありますよね?我が家ではなぜか嫁のほうが当たる確率が断然高い(笑)。
トウガラシも人間がそのために品種改良したものはすべての身が辛いけど、野生種に近いものは辛くないものが混ざるようだ。この辛い成分はダイエットにも効くといわれるカプサイシンだけど味覚というよりベロの熱いと痛いを感じる神経を刺激している。
通常の動物はこの痛熱いカプサイシンを避けるが、鳥はカプサイシンに反応しないので平気で食べてしまう。これはトウガラシちゃんには好都合で鳥は食べるときに種を潰してしまわないので、遠くに糞といっしょに運んでもらえる
でもすべてのトウガラシが辛くないのはなぜか?トウガラシからすれば鳥に運んでもらい、外敵から身を守るにはそちらのほうが有利に見える。トウガラシがどうやって辛くなるかを調べるとそのヒントが隠されていて、虫が手伝っている。虫食いがあるトウガラシの実はその穴からカビが入り込み、そのカビの増殖を防ぐためにカプサイシンを増産させて辛くなる。
ここからはぼくの仮説も交じるが虫は型のよいトウガラシから食べるだろうから良い種が出来やすいものにカビが生えてそちらが鳥に運んでもらえる。しょぼい実は虫から見放され、辛くならないので逆の動物にだべられる。そうなれトウガラシは栄養をいい実に送ることができるし、いい実がつく個体が残りやすい。
これこそwin-win-win-winの見事なパートナリングだ。
参考文献;
http://www.sciencentral.com/video/2008/10/02/hot-chili-secret/
投稿者: 三ツ松新 | 日時: 2008年11月07日 15:06
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