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君の瞳に乾杯

先日飲みながら映画の好きなセリフは何かという話題になったが、やたら印象に残ってるのはカサブランカにでてくるHere's looking at you kidです。

アメリカ映画協会が2005年に発表した名セリフ百傑にはカサブランカからは最多の6個も入っている。その中で最高位の5位にこのセリフが入っている。

まあとにかくかっこいい映画だが、あの永遠の色男、ジュリーこと沢田研二さんがカサブランカ・ダンディーの中で「ボギー、ボギー、あんたの時代は良かった、 男がピカピカのキザでいられた♪」と歌っているほどだ。このボギーこそがカサブランカの主人公のハンフリー・ボガードのことで、このセリフを言った人。まあキザというよりとにかく粋な人ですけどね。

もともと台本にはなかったセリフらしく、撮影の合い間にイングリッド・バーグマンにボギーがポーカーを教えている時に使っていたそう。
映画の中での一場面がこちらから見れます。

ところでこのセリフの日本語訳は「君の瞳に乾杯」であり名訳とも言われている。文字数制限が強い映画の字幕としては確かにそうだ。しかしネイティブの人でも実際このセリフの意味はよくわからないようだ。文法的にも少し変やし。

語源は諸説あるようだが、乾杯するときに「Here is to 誰々(歓迎する相手等)」のような言い方をする。
昔酒場のケンカで男がジョッキで酒を飲む間にやられるらしいのでジョッキで酒を飲みながら使ったのがこのセリフらしい。ここであえてtoを抜くのは見てるのが自分だからということだろう。
まあ意味合い的には「乾杯ついでにお前のこと見張ってるぞ」のような使い方かな。

だから昔の陶器のジョッキには相手を監視できるように底だけガラスのものがある。そういえば昔オヤジが海外でガラス底のジョッキを買ってきてたがなぜそうなのか子供のころ不思議だった。

近年では決闘こそはないが、ポーカーでJQKのカードでそろえた場合に使うようだ。人の顔があるカードなんで全員おまえのほう見ているぞと言うような勝利宣言のし方だ。

さて一見非常にキザな「君の瞳に乾杯」はそうなるとさほどキザでもない。女性との別れ間際に
Here's looking at you kidというのは、「俺は見てるよ」とも「みんな見てるよ」ともとれる。
ただ話の流れからボギーはその場を離れないことを示唆しているので
「ずっとお前のこと見守ってるでー」(ってなんで関西弁やねん)を遠まわしに言っているというのがぼくの解釈だ。ってやっぱりキザ?

今回のエントリーはビジネスとはまったく関係ないが、海外でのパーティートークの一つとしてもっとくのも悪ないんちゃう?

いやーでもボギーはやっぱりかっこええ、一生に一回でいいからこんなセリフが決まる男になってみたい(笑)。

投稿者: 三ツ松新 | 日時: 2008年11月15日 09:54

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