三ツ松新'sブログ
イノベーションコンサルタントのデジタルクリップ
2009年06月30日
金融危機はレーガンの責任?
金融危機の責任はウオール街だ、MBAだ、グリーンスパンだとなんだか魔女狩りのようないきおいもあるけど、ぼくの好きな経済学者で去年ノーベル賞受賞したポールクルーグマンによればレーガンのせいだという。
レーガンは81から89年まで2期、アメリカ大統領を務めた人で20代の人からすりゃ、もはや歴史の人かもね。そのレーガンが大統領になる前の70年代はまだまだアメリカも日本ぽかったといえば語弊があるだろうか。
意外と思う人もいるかもしれないが70年代のアメリカでは貯蓄率はまだ10%近くもあり結構高かった(ちなみ金融危機前のアメリカはマイナス、日本が3%程度)。この頃ぼくはまだ子供でアメリカに住んでいたが、個人的な経験からも当時周りは移民の子供ばかりで裕福な人は少なかった。しかしハードワーキングは報われると言う古き良きアメリカの感覚は強かったように思う。
この前の選挙活動の時、オバマとマケインの対談で23回も名前がでてきたJoe the plumer(配管工のジョー)なんかは今も残るそういった価値観の代表だろう。実際のところJoeは思いのほか金持ちでプロパカンダにはもってこいという批判はあったが、まっとうに一生懸命働いて成功した人が報われるべきというのはウオール街以外では案外強いようだ。
そんな古き良きアメリカで80年代にレーガンは金融規制緩和によりお金を貸しやすい環境を作った。それだけ聞くと悪いことばかりではなくもちろん当時の指導者たちも悪意を持ってやってはいないでしょう。
当時彼は「この法令は過去50年の中で金融機関にとって最も重要なものだ」とまで行ってのけたほどだ。
しかし預金はある程度国が保証しているので、実質的には金融機関に、人のお金で合法的にギャンブルする権利を与えてしまった。それも勝った時には懐にいれて、負けたときは国(税金)に保証してもらえる耐えがたくおいしい状況だ。
また家を買う頭金の制限がゆるくなり、夢のマイホームを手に入れるための敷居が一気に下がった。そして借金漬けでもいいやというような意識変化が少しづつ強くなり、それが25年後に一気に噴出したわけだ。
ただ皮肉なのは住宅を買うときの規制は1930年代の大恐慌の後、当時の指導者たちが同じ過ちを繰り返さないために、作ったものだった。それが50年後の80年代にはまたとっぱらってしまったわけね。もちろんリスク管理能力があがっているので大丈夫という理屈はあったのだろうが、歴史はいつも少し違う形で繰り返される。
参考URL;
http://www.nytimes.com/2009/06/01/opinion/01krugman.html?_r=1
http://abcnews.go.com/Video/playerIndex?id=6047458
投稿者: 三ツ松新 日時: 15:13 | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年06月02日
金融危機はMBAの責任?
今回の金融危機の矛先がMBAにも向けられている。
ちょっと前になるがニューヨークタイムズの中でIs It Time to Retrain B-Schools?というタイトルの記事がある。日本語にすればそろそろビジネスクールをオーバーホール時期じゃないかというような意味合いかな。
記事中にMBAに入学する時にいた分野と卒業してからいく分野の比較する表があるが、もっとも上昇しているのはファイナンス、その次がコンサルティングでマーケティングが微増。逆に落ちているのは管理業務・オペレーション・ITと人事。卒業生の40%以上の人がファイナンス関連分野に従事している。
これを根拠のひとつとしている。
いろいろな専門家の意見をまとめているが、ようはMBAが過大な科学的経営や数値理論に傾きすぎたために現場力や人間力が軽視されているというようなものが多い。まあ多かれ少なかれ感じている人は多いと思う。
創業者が海兵隊出身でバリバリ現場主義のフェデックスは「発送があまりにも簡単でMBAホルダーでもできる」というヴァイラルマーケティングの広告までだしちゃってる。
それとそのほかにMBAの生徒のほうがよくカンニングをするという論文まである。2006年の論文になるが、過去一年の間にカンニングまたはそれに類する行為(cheating)をしたことがあるかという質問に対して、MBAでは56%がビジネス分野以外では46%があると答えている。
これは解釈が難しいなあ。ビジネスの世界はカンニングありという意味合いのことはよくいわれるからなあ。マネをすることと不正をすることの線引きって意外に難しい。
またこの記事を受けてハーバードビジネススクールのウエブサイトにコラムがあがっていて議論がもりあがっている。コラム事態はある程度非は認めつつ、ただそこまでか?ということと何が問題で今後どうすべきかということを書いている。
コメントの大半はマスコミが言うほどのものではないが、やはり責任の一端はあるだろうというものが多い。この一端がどの程度かはずいぶん個人差がある。
私もMBAや企業研修で教えることが多いので、思わずコメントしてしまったが、そりゃ多少の責任はあるでしょう。産業界や新資本家階級のニーズに則していたとも言えるけど株主至上主義のいいだしっぺだしね。それと対応策として議論の中でも良く上がってくるモラル教育ももちろん必要でしょう。
ただしだからといって藁をもすがる気持ちで時々聞かれる欧米型の管理型経営の崩壊というのはちょっと早合点かな。
行き過ぎた管理を実施した反省から手綱を緩めるのはすごくいいことだと思う。だけど正しく経営管理が導入されたことがない状態でまたもとの木阿弥も未来がないな。
参考記事、論文;
http://www.nytimes.com/2009/03/15/business/15school.html
academic dishonesty in graduate business programs prevalence causes and proposed action
ftp://ftp.cba.uri.edu/Classes/Beauvais/MBA540/Readings/McCabe_2006.pdf
http://blogs.harvardbusiness.org/how-to-fix-business-schools/2009/03/are-business-schools-to-blame.html
http://www.abc.net.au/rn/backgroundbriefing/stories/2009/2526727.htm
投稿者: 三ツ松新 日時: 09:50 | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年06月01日
バクテリアも女性のほうが好きなのか?
気の利いた考察が難しいのでトリビアカテゴリーにいれたがなんだかおもしろい。
コロラド大学の研究チームが手のバクテリアの数や種類(ミクロフローラ)を調べた。
因みに体は表面の中も天文学的な数字のバクテリアが住んでいて、体を守ってくれたりいいことをしてくれるバクテリアも結構多いんで汚いと思わないでください。世の中の女性を敵にまわしたくないのではい。
手のバクテリアは平均すると150種類ほどあり、女性のほうが男性よりはるかにたくさんの種類があるそうだ。また右手と左手では住んでいる種類がかなり違い、平均的に17%しか共有していない。
あと手洗いとの関係も知らべたが、2から4時間程度で元に戻り種類に影響を与えない。
だからどうやねん?と言われると困るが(笑)。
http://www.sciencentral.com/video/2008/11/25/hand-bacteria/
投稿者: 三ツ松新 日時: 18:11 | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)