三ツ松新'sブログ
イノベーションコンサルタントのデジタルクリップ
2007年03月27日
イノベーション疲労は企業の致命傷
ビジネスウイークにコラムを書いてるブルースがBCGと共同でアメリカ企業イノベーションに関した調査をしているそうだ。詳細の結果は来月になるらしいけどトップマネージャーがイノベーション疲労を起こしている症状がでている。2,3年やって成果がでないからというのが原因らしい。
イノベーションを起こすにはかつての品質管理のムーブメントといっしょで会社に新しい文化を根付かせないといけない。頭が痛いのは思考特性的的に品質管理とイノベーションは相反する価値観。品質管理戦争においては日本企業は躍進したけど、それが故にイノベーション脳を導入しようとすれば拒絶も強い場合が多々ある。
だけど顧客ではなく技術者が思ういいものを作っても、もはやそれを前提だとしてか思ってくれない。今後企業が生き残っていくには洋の東西を問わずイノベーション能力は必須になる。
投稿者: 三ツ松新 日時: 15:39 | パーマリンク | コメント (2) | トラックバック (1)
2007年03月19日
グーグルフォンってうわさ?
グーグルが携帯電話事業に進出するらしい。グーグルが携帯電話のデザインをアジアのどこかのメーカーに送っているという情報がロイターズから発表されている。グーグルのスポークスマンはこれに対してやるともやらないとも言っていない。
因みにロンドンにいる野村のアナリストはグーグル電話は失敗に終わると予測している。競合するために十分なスケールに到達するだけの電話業界との関係性がないからだそうだ。
まあ確かにもっともらしいコメントでグーグルがそのまま普通に携帯電話事業に手を出せばそうでしょう。でもグーグルがそんなバカのことをするとは思えない。
グーグルは秀逸な検索エンジンなのはみんな知ってるけど、必要な情報を必要な時にアクセスできるようにしている。またスタンフォードの図書館をネットで検索できるようにするような壮大なプロジェクトを手がけた。すでにハーバードやニューヨーク市立図書館も同様のプロジェクトを始めている。グーグルは言い換えれば情報インフラの整備はもちろんながら、情報の民主化を進めそこから利益を得ている。
ただ現状ではPCの前にいなければいけない制約がある。モバイルでグーグル検索もできるけど使いづらい部分が多い。携帯に特化した別の検索エンジンを開発する方法もあるだろうけど、グローバル展開が最初から視野にあるグーグルからすればローカルの機種変更や各国の携帯のインフラに対応し始めたら悪夢を見ることになろう。
自社で機種をつくれば少なくとも各社各様の対策には悩まずに済む。またネットへのアクセスを機能につけておけばネット電話にもなり既存の多くのインフラの制約からも開放される。そして一番でかいのは携帯電話のプラットフォームが提供できることだ。ようは携帯版ウィンドーズが作れてしまうかも知れない。そのためにはハードに手を出す大きな賭けにでたのでしょう。リスクも大きいけどリターンもでかい。
すでにPCの世界では表計算もできるグーグル。PCでは下手するとウィンドーズがいらなくなる世界がくるかもという話がでてくるほど。ましてやまだ覇者が見えてない携帯の市場ならなおさら・・・・・
時代は違うがアップルはかつて世界最高のOSを自身の機種だけのために提供した。1990年代の名論文「コンピューターを作らないコンピューター企業」でアップルはOSをオープン化すべきだったと批評されている。確かに80年代後半にOSをオープンしていたら勢力図は変わっていたでしょう。
さてこのパターンなんだかにおいませんか?グーグルが携帯のハードを作り自社のプラットフォームを構築する。その後プラットフォーム部分はオープンにする。それも下手すれば無料にして広告収入で利益をあげてもいい。ハード部分はIBMのようにその段階で売却してもかまわない。
アップル創業者のジョブズは職人気質なのでこうはでんと思うけど、グーグルのブリン&ペイジなら十分ありえる。
でもこのあたりを半ば否定するグーグルの腹黒さは大好き(笑)。
投稿者: 三ツ松新 日時: 15:44 | パーマリンク | コメント (4) | トラックバック (0)
2007年03月12日
大企業本社の最多都市はどこでしょう?
フォーチュン500に入ってる会社の本社所在地をもとにしていますが、正解は東京です。それも57社で2位のパリ27社を引き離してダントツ。続く3位はアメリカのニューヨーク。
意外に思うかもしれないけど、よく考えれば当たり前ですね。アメリカは国土が広く、合洲国制で中心地があるようでない。政治がワシントンで経済はニューヨークとはよく言われる。どちらも東海岸の町だけどソフト産業は西海岸のロスだしベンチャーはサンフランシスコやシアトルが活発。左脳型の東海岸、右脳型の西海岸ですね。それと洲が日本の県とは比較にならないほど自治権を持っているため、適度な分散がすすみやすい。
因みに景気が悪い悪いといわれる大阪でも6社で、アメリカ・ヒューストン、ドイツ・ミュンヘンと同率9位に入ってます。関西企業もまだまだがんばれるで(笑)
投稿者: 三ツ松新 日時: 09:45 | パーマリンク | コメント (2) | トラックバック (0)
2007年03月01日
スターバックス戦争
アメリカに公平な商品テストの結果を発表するconsumer reportsという雑誌がある。もちろん非営利団体がやっている。
今回のテーマはコーヒー。マクドナルドとスターバックスを含む主要なチェーン店4社が専門家により評価された。
勝者はマクドナルド。
以前スタバのコーヒーがマクドのハンバーカーよりカロリーが高いというエントリーを書いたけどなんだかスターバックスの分が悪い記事が目立つ。勝ち組の宿命とでもいうのだろうか。
それはさておき、このコーヒーの味についての結果をどうみるか難しい。スターバックスがビジネス上では他より成功しているということを前提にすれば、大きく二つの解釈ができる。
1.専門家の言う味と顧客の言う味の意味が違う。
2.コーヒーの味とコーヒーショップの成功は無関係。
どちらも結論にしがちだけど、どちらも仮説の域をでない。
まず手始めに顧客がコーヒーの味をどう評価しているのか、それと顧客がコーヒーショップをどう評価をしているのかの消費者理解が必要で、最低限それが無ければ答えはでない。
でも実際のところは両方やろうね。顧客が味と言ったときの定義は専門家のそれよりかなり広い場合が多い。自分の経験を考えて見ても「おいしいお店」と言ったときに必ずしも味だけのことを言っていないことも多いでしょう?
ところで洗剤の商品評価の中で一般消費者に一番白い布を選んでもらうと、専門家が言う科学的な白を選ばないって知ってました?因みに日本人は青白いものを選びます。色温度の関係(といわれているが)北にほうにいくとむしろ赤白いものが選ばれます。
あともうひとつスターバックスは「かっこいいあなた」。(若干かげりが見えつつあるそうですが)を提供してます。アメリカではなんとなくヨーロッパ人に対するあこがれがあったりします。本人たちは認めないと思うけど(笑)。向こうでは洗練されたヨーロピアンコーヒーが売りなので業界太郎系には如何にも受けそう。
日本はもっとざっくり欧米スタイルコーヒーだけど「俺っていけてるビジネスマン?」なんて気分にさせてくれます。
職人気質の人はは認めたくないと多いと思うけど、コーヒーショップにおけるコーヒーの味は機能価値です。乱暴な言い方だけどシャンプーで言えば洗浄力みたいなもの。シャンプーの洗浄力は前提だけど、いまどきシャンプーを洗浄力で選ぶ人はほとんどいない。
最後に誤解されると困るけど職人気質が嫌いなわけではない、というかむしろ大好きだ。商売べたな職人で鉛筆なめるようなおやっさんはほとんど絶滅しかかってるけど、そういう人に出会ったときは伝説のポケモンをゲットしたときぐらいうれしい(笑)。
投稿者: 三ツ松新 日時: 19:05 | パーマリンク | コメント (2) | トラックバック (0)