三ツ松新'sブログ

イノベーションコンサルタントのデジタルクリップ

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2008年03月19日

ポストモダンマーケティング

下の動画はロンドンの公共機関を一手に担うTransport for Londonの広告で、サイクリングしている人に気をつけようと呼びかける内容のもの。

視覚性認知の専門家であるイリノイ大学のDaniel J. Simons教授の作った認知テストを広告にしたものだけど、白チームが何回パスしたかわかるかな?下のネタばらしを読む前に見てください。

答えは13回ですぐでてくるけど、ムーンウオークしている熊には気づいたかな?もし気づかなかったもう一度見て横切っていくクマを探してみてください。

ポストモダンマーケティングのひとつにトリック性というのがあるのがこれはそれにあてはまるでしょうね。
最初に「This is an awareness test (これは認知テストです)」と煽るところがなんとも言えない。
なんかいい意味でだまされて集中してしまいます、まあ運転気をつけよっとw

投稿者: 三ツ松新 日時: 13:51 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年03月14日

IBMもグリーンエネルギー事業

スイスIBMがデータセンターのプロセッサーから出る熱を近隣家庭の暖房の使えないか検討している。企業で新事業案をつくるアクションラーニングなんかすると、重厚長大型企業ではこのような排熱利用関係は良くでてくるが、コンピューター企業とは意外だ。

しかしながらこの排熱利用って意外と難しい。多くの場合は密度が低いエネルギーだったりして使いにくい。例えば1000℃で1kgの物質と50℃で40kg(25℃で)の物質だと取り出せるエネルギーは似たようなもんだがそりゃ前者のほうが使える用途が広い。

IBMでは近隣家庭にという限定することでこの密度の低いエネルギーを利用しようというのはおもしろい。こう言う発想はスイスIBMだからなのか?

最もヨーロッパでこういう発想は実はさほどめずらしくない。木材の廃材を使って民家のセントラルヒーティングをしている例はスエーデンやドイツなどに見られる。またオランダでは発電所の排熱を使った海老の養殖をする事業も存在する。

日本でも事例はあるのだろうが、あまり聞かないように思う。国土が狭いことがむしろ強みなるようにも感じるが。今後このようなエネルギーベンチャーを育てる日本はいい土俵でしょうね。

参考記事;
http://www.tmcnet.com/usubmit/2008/03/07/3315305.htm

投稿者: 三ツ松新 日時: 11:48 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年03月11日

トム・ピーターズの当たり前

もうかれこれ数百個の書きかけエントリーがたまっているが、これがその一番古いやつ。

トム・ピーターズがネイバーフッドの電気屋さんで店員にナイスにしてたら、グッドな扱いを受けたエクスぴりエンスから(by ルー)

20070722-400868-1-N.jpg

彼も(ルーじゃなくてトムやでw)当たり前すぎることと前置きはしてるが・・・
「私のサービスプロバイダーは私の顧客である。良いサービスを得るにはその人にも良いサービスをしなさい。」

最近職場でメンタルヘルスが問題になってるが、えらそうな客に悩まされる例をよく見聞きする。
昨日も某大手企業の取締役の方と話していたら、客先に常駐している社員のほうがメンタルヘルスに問題を起こすことが格段に多いそうだ。

よく感じることやけどいつからお金を払う人がもらう人よりえらくなってしまったのでしょう?
価値の交換という観点では立場は同等なはずなんだが。もし価値より高いお金をもらっているためにえらそうにされることに甘んじなければいけないなら、それはビジネスではなく物乞いになってしまう。

これに関連するが、マーケティングの顧客志向やCRMが間違って認識されている場面をよく見る。80:20の法則は有名やけど、そのほかに30%の不良顧客が利益の50%を持って行くと言う調査結果もある。

あなたの利益を奪っていく人々は顧客という定義にあてはまらない。ましてやあなたの健康や自尊心を奪うとなるとそれ以前の問題だ。理不尽な客は(厳密には客ではないが)さっさとサービスをやめたほうがいい。自社の利益はあがり、競合の利益が下がる。

私自身も仕事ではもちろんそうしている。何をするかより、誰とするかのほうがはるかに重要ちゃいまっか?それで短期的に売り上げが落ちることもあるだろうが、独立して7年になるが今のところ中長期でのリターンはそれを補うには十分だ。

因みにお金に出すほうになった時の自分なりの心がけ(あくまで心がけですよw)

「上客の扱い受けたいなら、上客のように振る舞うべし」

因みにニューヨークスラングでいえば
"Don't be a ○○○○○○ asshole"

できてるとは言いません、でもサウイフモノニワタシハナリタイw

原語;
My service provider is my customer. To get good service give good service to those who service you.

参考URL;
http://www.tompeters.com/entries.php?rss=1¬e=http://www.tompeters.com/blogs/main/008971.php

投稿者: 三ツ松新 日時: 08:50 | | コメント (4) | トラックバック (1)

2008年03月10日

動物ロボットを剥製にするアート

みなさまお待ちかね、今月トリビアネタw。
動物愛護と言う視点はもとより、これから新たに出現するロボットという新しい種に社会がどうかかわっていくべきかを問うアート(らしい)。

作者の意図とは違うのはわかるがこのアイデアって過去の栄光グッズとかに応用するとおもろいかも。例えば子供のころホームラン打ったバットとか。大学受験合格したボールペンとか。無駄に豪華にするとおもろいと思うでw。実際アメリカに思い出の品を額縁にいれてくれるというサービスのフランチャイズがあるけど。

trophee_face.jpg

近づくと一応吠えるw

参考URL;
http://cyberdoll.free.fr/cyberdoll/index_e_trophees.html

投稿者: 三ツ松新 日時: 08:23 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年03月07日

スクラップからプラダとナイキ

プラダが製造過程ででる端切れで昨年テディーベアの携帯ストラップを販売し始めたが、今度はナイキも。

ナイキらしい所はマーケティングに環境問題に関心があることで知られるプロバスケットボールプレーヤー(スティーブナッシュ)を起用しているところでしょうね。

単なるポーズと非難の声も聞こえるが、営利団体としてはまずは始めることが重要でしょ。京都議定書を半ば無視したブッシュの態度からすればずいぶん好転したもんちゃうかな。お客さんが「グリーンじゃないといやだ」と言い出すともっとすすむんやろうけどね。

PR_Nash_G_A_S_beauty_237x205_001.jpg

参考記事;
http://www.nikebiz.com/media/pr/2008/02/13_Nash.html

投稿者: 三ツ松新 日時: 07:15 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年03月06日

ロングテールより背油がうまいかもよ

最近職業がよくわからない人ってよく見かける。それ自体は結構なことだと思う。時代が動く時には新し職種もまた創出される。

さてケビンケリーもその一人でもともとは遊牧写真家。それ自体ようわらんのに今はアメリカWired誌のシニアマーヴェリック(反体制派)って「なんじゃこりゃ!」(by yusaku).

まあ一応ジャーナリストというひとくくりなるんやろうけど彼のブログもなかなかおもろい。
1000true fans というタイトルでネット時代には1000人の真のファンを作ろうというものだ

ロングテールはアマゾンや楽天のような新興のアグリゲーターにはビジネスチャンスであり我々一般消費者も選択肢が増えてその恩恵を被る。だけど個人レベルのクリエイターでは実はロングテールでは文字通り食えいない。そしてショートヘッドで大成功しようと思えば、実は今までと世界はさほど変わらない。

だけどここで注目すべきがロングテールとショートヘッドののちょうど中間で下の図の緑と黄色の境界線あたり。
200px-Long_tail_svg.png

音楽家であれ、画家であれ、陶芸家であれ、写真家であれ、作家であれ、漫画家であれ、映画監督であれ、芸人であれ。まだまだリストは続くが、1000人熱狂的なファンがいれば飯は食える。この1000人の人はクリエイターのすべての作品を買ってしまうような人だ。

例えば、年間1万円使ってくれる熱烈なファンが1000人いれば売り上げは1千万円。資本があまりいらないクリエイターであれば十分だ。10万使う人が1000人いれば1億円で飯が食えるとかの次元ではなくなる。

実際アメリカあたりの個人音楽家でCDをネットで売っている人はいる。年間数万枚売るレベルの人もいて、そりゃメジャーとはケタが二つも違うが、本人はいたって幸せだろう。

あるいは私もセミナーの資料づくりでお世話になることがあるistockというデジタル写真や絵が買えるサイトがある。この絵は1枚10ドルで1年ちょっとですでに5000ダウンロードもある。因みにこのサイトで4ケタのダウンロード数は最近ではめずらしくない。

この流れでまた新しい産業領域がうまれそうないきおいもあるが話が長くなるのでまた別エントリーで。

ところでタイトルの背油ですがパクリです。一昨年にBCGの御立さんが日経ビジネスオンラインでこのヘッドとテール間のことを「背中」と書いてた。コラム上にこの背中にいい名前はないものかということでコメントに「ドラゴンズネック」と書いたと思う。ただ他のコメントで「せあぶらでいいじゃない」とあって「やられた!」と思いました。自分の中ではもちろん「背油」を採用(笑)。

投稿者: 三ツ松新 日時: 10:01 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年03月05日

ロボットが言葉を覚える日も近い

未来ではロボットと結婚する人が出てくると予想する専門家もいるらしいがこのあたりの動きはその兆候なんやろうね。まあほんまに結婚という形態をとるかはわからんけど、機械と人間以上の関係性になっても不思議ではない。よう考えたら幼馴染で昔から車にエクスタシーを感じやつおるなあ、おーいマーボー聞いてるか、おまえのこっちゃで(笑)。

すでにアイボのように相当精巧なロボットは日本にあるけどこちらの名前はicubでヨーロッパの物。
親しみを込めて言うけど「icub」というネーミングはいかにも技術者らしいが(笑)。

人工知能とロボット工学の大家が共同で言葉を覚えるロボットを研究中で来年にも完成の予定。
ちょうど親が子供に言語を教えるようにすると言葉を習得していくらしい。

見た目は何の愛想もへったくれもないうちの掃除ロボットも、一生懸命(別に一生懸命じゃないんだろうがそう見える)掃除しているのを見ているとなんだかだんだんとかわいくなる。
そのロボットが「ご主人さま。お掃除終わりました」と言い出したらさてどうなるやら(笑)。

icub.jpg

参考記事;
http://www.sciencedaily.com/releases/2008/02/080229141032.htm

投稿者: 三ツ松新 日時: 10:08 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年03月01日

ヤモリから発想する新しいマジックテープ

くっつき虫(オナモミ)からマジックテープが発想されたのは有名な話やけど、ヤモリがどうやってありとあらゆる表面をうまく登るか知ってる?もちろんぼくも知らん。

実は足のうらにものすごい細い毛のようなものが無数にあるらしい。そして足のうらに力を入れるとあまりの小ささゆえに触れてる表面に分子間力でくっつく。分子間力は弱いかなと思いきや体重の百倍まで支えらるようだ。もっとミニ吸盤に近いような構造かと思っていたのだが確かにそれだと表面を選ぶ。分子間力だとどこにでもあるので無敵。おまけにこの構造自浄作用があって表面が汚れない。

University of Akron ではこれを最近注目を集めつつあるカーボンナノチューブで再現した。例えばロボットの足の裏なんかにも応用がききそうだ。基本的にのりを使う構造ではないので汚れない。おまけに自浄作用があるから、土の上を歩いても2,3歩そうでないところを行くとすでに粘着力が50%ほどまでに回復するそうだ。

そういえば去年の話になるけどINAXさんがカタツムリの殻の構造をヒントに汚れにくい便器の開発をした話もあったことを思い出す。

自然界の仕組みを商品開発に活かした例は他にもたくさんあるけど、これは隠喩的合法という発想法にあたる。ようは完成度の高いなんらかの仕組みやシステムを自分の状況を当てはめてみる方法だ。

完成度の高いものを最初に探す作業があるので一般的な発想法のテクニックより時間はかかるが、比較的複雑なもののアイデア出しには向く。ビジネスモデルなんかの応用にも持ってこいだ。

最後に、一応イモリマニアのためにイモリの足裏の電子顕微鏡写真もはっときました。お楽しみあれ(笑)。

080228-gecko-setae-02.jpg

参考記事
http://www.livescience.com/technology/080229-bts-gecko-glue.html

投稿者: 三ツ松新 日時: 15:43 | | コメント (2) | トラックバック (0)